今年(2023年)はなぜか、山形大学でたくさん欠員が出たね、なんでだろう?
定員割れをしていたり、入学辞退者が多いと起こりうるけど、今回は欠員の人数が多いね…
今回は令和5年度入試で山形大学で2次募集が発生した理由について考察し、紹介していきます!
国公立大学の2次募集とは?
入学手続き者が定員よりも少なく、欠員が発生したときに3月下旬を目安に再度募集をして欠員を補充することです。3月下旬ということもあり合否の判定は共通テストの結果のみで決定することが多い傾向にあります。
また、願書を大学に持参する必要がある(郵送不可)のため大変ですが、最後まで諦めずに国公立大学に入学したいという意志がある人向けの募集です。
令和5年度の2次募集の実態
令和5年度の入試で2次募集をしている国公立大学は11校あります。下の表がその一覧となります(2023年3月24日現在)。ちなみに令和4年度では10校でした。
大学名 | 募集人数の合計 | 入試に必要な物 |
茨城大学 | 4名 | 共通テスト |
島根大学 | 6名 | 共通テスト |
県立広島大学 | 6名 | 共通テスト |
山形大学 | 54名 | 共通テスト |
愛媛大学 | 2名 | 共通テスト+面接 |
静岡大学 | 13名 | 共通テスト |
沖縄県立芸術大学 | 8名 | 共通テスト+小論文+口述試験+面接 |
北海道教育大学 | 6名 | 共通テスト+実技+面接 |
島根県立大学 | 5名 | 共通テスト |
長崎大学 | 5名 | 共通テスト |
筑波技術大学 | 19名 | 共通テスト+書類審査、数学、面接 |
詳細な情報は河合塾、各大学のホームページから募集要項等をご覧ください。
山形大学での2次募集の詳細
共通テストは5教科7科目が必須で個別試験はありません。そのため、共通テストのみで合否が決まります。出願は持参のみ(郵送不可)です。
学部(学科)名 | 募集人数 |
工学部(昼間コース) 高分子・有機材料工学科 | 19名 |
工学部(昼間コース) 化学・バイオ工学科 応用化学・化学工学コース | 22名 |
工学部(昼間コース) 化学・バイオ工学科 バイオ化学工学コース | 13名 |
出願受付 | 受付期間、受付場所 | 2023年3月28日(火) 9時~18時 2023年3月29日(水) 8時30分~11時30分 山形大学米沢キャンパス事務部学務課入試担当 |
合格発表 | 発表期日、発表場所 | 2023年3月30日(木)11時 山形大学ホームページ(合格者には電話等で発表もあり) |
入学手続き | 手続期日、手続期間、手続場所 | 2023年3月31日(金)9時~17時 山形大学米沢キャンパス事務部学務課入試担当 |
お問い合わせ先 | 場所、電話 | 山形大学米沢キャンパス事務部学務課入試担当 〒992-8510 山形県米沢市城南四丁目3-16 0238-26-3013 |
入学手続きまでの時間も3月31日の1日だけと限られているので、2次募集に対応するには早めの行動が必要です。
令和5年度入試では過去5年間ではなかった53名の2次募集をしています。下に年表を示します。
年度 | 募集人数 |
2023年度 | 53名 |
2022年度 | 0名 |
2021年度 | 0名 |
2020年度 | 0名 |
2019年度 | 0名 |
なぜ、2次募集が発生したのか?
この章では2次募集が発生した理由について令和5年度と令和4年度の一般選抜における入試データをもとに考察していきます。
入試データの比較
学部(学科)名 | 令和5年度前期・後期志願者数(倍率) | 令和4年度前期・後期志願者数(倍率) |
工学部(昼間コース) 高分子・有機材料工学科 | 82名(1.0倍)・20名(2.0倍) | 188名(2.3倍)・45名(4.5倍) |
工学部(昼間コース) 化学・バイオ工学科 応用化学・化学工学コース | 35名(0.9倍)・29名(2.9倍) | 124名(3.0倍)・46名(4.6倍) |
工学部(昼間コース) 化学・バイオ工学科 バイオ化学工学コース | 38名(0.9倍)・39名(3.9倍) | 150名(3.7倍)・64名(6.4倍) |
学部(学科)名 | 令和5年度前期・後期合格者数(定員) | 令和4年度前期・後期合格者数(定員) |
工学部(昼間コース) 高分子・有機材料工学科 | 75名(83名)・5名(10名) | 95名(83名)・10名(10名) |
工学部(昼間コース) 化学・バイオ工学科 応用化学・化学工学コース | 32名(41名)・6名(10名) | 46名(41名)・10名(10名) |
工学部(昼間コース) 化学・バイオ工学科 バイオ化学工学コース | 34名(41名)・8名(10名) | 49名(41名)・10名(10名) |
上の2つの表を見れば分かる通り、志願者倍率が令和4年度と比べると明らかに下がっており、化学・バイオ工学科ではなんと定員割れを起こしてしまっています。これはどういうことなのでしょうか?
定員割れの原因
原因としては以下の2つのようなことが考えられます。(ブログ主の考えでは)
- 共通テストの易化
- 少子化による人口減少
共通テストの易化
これが最も重要な定員割れの要因と考えられます。大手予備校の駿台とベネッセコーポレーションの推定した令和5年度入試の5教科900点満点の予想平均点は5教科7科目理系では551点(得点率61%、前年度比+38点)でした。また、前年度平均点が大幅ダウンした数学I・A、II・Bが令和5年度入試で大幅アップし、理系のほぼすべての受験生が選択する化学が得点調整によって点数が6点以上アップしたことも大きいです。これにより、多くの国公立大学では理系科目に傾斜配点があるため、河合塾や駿台などの予備校の判定システムでも良い判定が出る受験生が多くなると考えられます。そのため、強気な受験をする高校生が増え、結果、ある一定のレベルの受験生が少なくなるといったことが発生します。それが偶然、山形大学位のレベルで発生してしまったという訳です。
少子化による人口減少
これは非常に単純で子供の数が減少傾向にあるからです。子供の数が減れば、必然的に高校生の数も減り、受験生の母数も減少します。
年次 | 出生数(人) |
2021 | 811,622 |
2020 | 840,835 |
2019 | 865,239 |
2018 | 918,400 |
2017 | 946,146 |
2016 | 977,242 |
2015 | 1,005,721 |
2014 | 1,003,609 |
2013 | 1,029,817 |
2012 | 1,037,232 |
入学辞退
大学を受かったにも関わらず入学を辞退する人は一定数いるものです。第1志望に合格するために浪人をしたり、急な家庭の事情など様々な要因があります。
2次募集増加の理由まとめ
共通テストの易化や少子化により大学を志望する人が少なくなったり、入学辞退をしたりする人がいるため。(他にも様々な要因がありますが影響が大きい事柄を抜粋)
Tips:なぜ、定員割れしてるのに全員合格にしないのか?
一部の人は定員割れをしているから受験した人は全員合格すると考えている人もいるかもしれません。しかし、実際は募集枠を満たしていない定員割れであっても全員合格となる訳ではありません。なぜ?と思う人もいるかもしれません。理由は多くの場合、合格の最低点、基準点(足切り点)が設けられているからです。この基準点を満たしていない人はたとえ定員割れが発生していたとしても不合格となります(ただしBF:ボーダーフリーの大学は除く)。
今回の山形大学の入試ではこれと同じようなことが発生していると考えられ、大学側でも合格にしてあげたい!と思っていても大学側の基準を満たしていなければ、合格にすることはできません。理不尽に感じますが、大学側としても大学生の質をある程度のレベルに保つためには必要です。
多くの場合、入学辞退者等を考慮して合格者を多くとったり、補欠合格を出したりすることで欠員が出ないようにするのですが、合格にできる人数がそれをするための人数を下回ってしまったので今回の場合では致し方なかったと思います。
しかし、定員割れの原因に関してはブログ主の個人的な意見であり、正確な情報ではないため分かり次第、追記していきたいと思います。
まとめ
様々な要因が重なって、2次募集をする必要が出てしまった国公立大学は、ほぼ確実に毎年出てきます。家庭の事情などから、学費が安い国公立大学を目指す人も多く存在するため、チャンスを逃さないためにも受験が終わるまで情報を集めたり、違う道を探したりすることも1つの手です。最後まで諦めなかった人には何かしら良いことがあるでしょう…
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